Takeru Kohara – 「 Contrast 」 御礼
2025.09.30(火) – 10.11(土)
Takeru Kohara – Contrast
https://iris–gallery.com/exhibition/773/
コハラタケルさんによる写真展『Contrast』は、多くの方にご来場いただき、会期中を通して深い余韻とともに幕を閉じました。
お越しくださった皆さま、心よりありがとうございました。
本展「Contrast」は、2021年の初春、コロナ禍のなかで自室にて3日間で撮影された作品群を再構成したものです。孤独や承認欲求、虚しさを背景に生まれた写真を、4年を経た現在の視点から見直し、改めて作品として提示しています。
そこには、変わりたい自分と、変わらず存在し続ける自分という二つの側面が対比的に映し出されています。
展示空間には、緊張感がありながらも、どこか温度を感じる雰囲気が漂っていました。
壁を飾ったラムダプリントの作品は、特に黒の深さが美しく、平面のはずの作品に見事な立体感を浮かび上がらせていました。
そして、久米装枠舎さんによる美しい額装がその世界観を支え、空間全体がひとつの作品として完成されていました。
来場者の多くが作品の前で長く立ち止まり、じんわりとその世界に浸るように眺めている姿が印象的でした。
静かな時間が流れる空間の中で、コハラタケルさんご本人が展示への思いや制作背景を丁寧に語られ、その言葉に耳を傾ける方々の表情もまた、とても印象に残っています。
ひとつの作品だけでなく、額装、配置にいたるまで空間全体が緻密に構成されており、「展示空間そのものをつくる」ということの奥深さと可能性を改めて感じさせられる、圧倒的な完成度の展示でした。
改めまして、ご来場くださった皆さま、そしてコハラタケルさんに心から感謝申し上げます。
これからもIRIS GALLERYでは、作家の方々と共に、一つひとつの展示を丁寧に紡いでまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
投稿：山中