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濱 道彦 個展「記憶の記録」山中夏歩さんとの十年 御礼

2025.10.14(火) – 10.19(日)
濱 道彦 個展「記憶の記録」
山中夏歩さんとの十年
https://iris–gallery.com/exhibition/796/

濱 道彦さんによる写真展『記憶の記録 ― 山中夏歩さんとの十年 ―』は、会期を終え、無事に終了いたしました。
ご来場いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

本展は、カメラマン・濱 道彦さんが、ポートレートモデルである山中夏歩と出会った2015年以降、約10年にわたり撮影を重ねてきた写真の記録をもとに構成された個展です。これまでに行われた撮影は300回を超え、その長い時間の中で生まれた作品の一部を展示しました。

展示された作品は、特定のテーマやシリーズとして制作されたものではなく、日々の撮影を重ねる中で残されてきた写真が中心となっています。シャッターが切られた瞬間だけでなく、そこに至るまでの時間や対話までもが写し取られ、偶然や寄り道を含んだ撮影の積み重ねが、そのまま写真の佇まいとして残っているようにも感じられます。撮影を続けてきた時間そのものが、写真の背景として存在しており、その歴史を辿るような構成となりました。

また、本展では、モデルである山中夏歩がIRIS GALLERYのオーナーであるという点も、展示の背景のひとつとして含まれています。撮る側と撮られる側という関係性を長期間継続してきた記録を、展示というかたちで共有する試みとなりました。

会場内には、これまでの歩みをまとめた三冊のブックをご覧いただけるコーナーも設けられました。展示写真とは異なるかたちで時間の流れを辿ることができるこのスペースでは、多くの来場者がページをめくりながら、ゆっくりと写真と向き合う姿が見られました。まるで図書館のように、穏やかな空気の中で写真を「読む」時間が流れていたのが印象的でした。

また、過去の撮影会をご存じの方々からは「懐かしいですね」といった言葉が自然と交わされる場面もありました。長い時間をかけて積み重ねられてきた記録が、いまなお記憶として共有されている——そんなことをあらためて感じさせる会期でもありました。

ポートレート撮影は、モデルとカメラマンが“写真活動のパートナー”として時間を重ね、ともに積み上げていく写真活動です。そこに宿るあたたかさや尊さは、瞬間的な成果だけでは測れないと思います。そして「記録」として残されてきた写真が、信頼と時間を通して「作品」へと変わっていく。その変化の過程そのものが、ポートレート撮影のひとつの完成形を示しているとも言えるのではないでしょうか。そんなことが、カメラマンの方、モデルの方、そして写真をみてくださるかたに伝わった写真展になったと思います。

改めまして、ご来場くださった皆さま、そして濱 道彦さんに心より御礼申し上げます。
IRIS GALLERYではこれからも、作家の方々と共に、作品の背景や想いを丁寧に見つめる展示を重ねてまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

投稿:渚・山中

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